ヤマビル

近年、ヤマビルが増加しており、被害にあう方も少なくありません。
西山林道でもヤマビルが出没しますので、ご注意ください。
西山林道は、道の真ん中を歩く方がよさそうです。落ち葉の積もっているところや草の生い茂ったところにはヤマビルがいる可能性が大ですので、道を外さないようにしましょう。休憩するときは、足下に注意してください。
雨の日は特に活発になりますので、注意してください。

吸血されても痛くないので、靴下やズボンが血に染まっているのを見て気がつくということが多いようです。
吸血したヤマビルは、約2週間ほどすると卵を産むので、吸血された場合は、必ず殺すこと。
そうしないと、さらに増える原因になります。


ヤマビルとは

形態 赤褐色で体長2~5cm、背中に3本の黒い縦筋あり。
シャクトリムシのように1分に1mのスピードでほふく移動する。
活動時期 4月~11月。最盛期は6月~8月。
7℃以上で活動し、25℃以上で雨中、雨上がりが最も活発に行動する
生息場所 沢筋、登山道、獣道、人工林(登山道の両側約2m以内が多い。)
生態 雌雄同体
産卵には吸血が不可欠。
吸血後、約2週間ほどすると卵を産む。
吸血方法 足音(振動)、呼気、炭酸ガス、体温、体臭で感知する。
木の枝から落ちてくることもあるが、たいていは足下から上がってくる。
前吸盤に3つの口を持ちそれぞれに約80の歯がある。皮膚をY字に傷つけて吸血。
モルヒネのような物質を分泌し麻痺させるので、吸血されても痛くない。
血液凝固を防ぐヒルジンを分泌するので、血が止まりにくい。
一度に体重の10~20倍程度(1cc)の血を吸う。吸血時間は1時間程度。
一度吸血すると一年以上生存可能。
移動方法 シカのひずめの後に穴があり、その中に入ってシカとともに移動している。

ヤマビルに吸血されたら

吸血直後 かなり大量の血が出てなかなかとまらないが、命に別状はないので、冷静に。
まず、ヒルを取りはがす。(無理にはがすと傷が深くなる。タバコの火、塩、サロンパス、アンメルツ、キンカンなどではがれる。
吸血したヒルは必ず殺す。(石ですり潰す。焼き殺す。殺ヒル剤をかける。軟体なため、踏んづけた程度では死なず、靴の裏にくっついて、登ってきてしまう。)
応急手当 傷口を指でつまんで、血を押し出すように絞り出し、水で洗えば治りが早い。
レスタミンコーワ軟膏などの抗ヒスタミン剤(虫刺され薬やかゆみ止め)を塗布し、カットバンを貼る。
症状 かゆい、赤く腫れる、まれに熱が出る、化膿する。
回復 通常なら1~2週間、長くて1ヶ月、こじらせて半年。

予防対策

忌避剤 ヒルノック、ヤマビルファイター(市販の虫除けスプレーも主成分(ディート)は同じなので、効果がある。)
靴下に塩を擦り込む。タイガーバームを靴の足首に塗る。
殺ヒル剤 ヤマビルジェット、ヤマビルキラー、木酢液
物理的防除 靴下の上からでも吸血されるが、ストッキングをはいていれば防げるとか。最近はやりのロングタイツも効果あり。
環境的防除 草刈り、落ち葉清掃、シカ管理
その他 立ち止まらない、座らない

このページの作成にあたっては、自然公園指導員研修の資料を参考にさせていただきました。